美味しい!楽しい!スナップエンドウを育てよう!

気候も涼しくなり
園芸作業をしやすい季節になってきましたね。
「これからどんな野菜を育てようかな」
と、お考えの方には
スナップエンドウの栽培が
おすすめです。
サクッとした食感で
甘味があっておいしいスナップエンドウ。
レンジなどで少し加熱するだけで手軽に食べられ
鮮やかな緑色が料理を彩ってくれるので
食卓でも大活躍します。
秋に種をまくと、春には次々と実を付け
2か月間ほど収穫を楽しむことができますよ。
今回は、スナップエンドウの育て方や
栽培のポイントについてお話させていただきますね♪
INDEX
1.スナップエンドウってどんな野菜?

スナップエンドウは、肉厚の莢の子実が
ぷっくりと太ったサヤごと食べられる
マメ科エンドウ属の野菜です。
エンドウの仲間には
平たく柔らかなサヤを食べる
「絹サヤ(サヤエンドウ)」
サヤから豆だけを取り出して食べる
「実エンドウ(グリーンピース)」
が、あります。
スーパーでよく見かける「豆苗」も
実はエンドウの新芽なんですよ。
秋から育てると
翌年4月中旬~6月上旬ごろにかけて
収穫を楽しめます。
2.肥料選びのポイント

スナップエンドウには
チッソ成分が控えめで
リン酸とカリ成分を強化した肥料が
おすすめです。
マメ類の根には
「根粒菌(こんりゅうきん)」という菌が
共生しています。
根粒菌はマメから糖をもらう代わりに
空気中のチッソ成分を栄養に変え
マメの生育を助けます。
土にチッソ成分が多く含まれていると
葉ばかり茂って花付きが悪くなる
「つるぼけ」の状態になってしまいます。
そのため、チッソ成分が控えめで
リン酸とカリ成分を強化した肥料を使用し
使用量や与える時期を守ることが大切です。
初めて栽培する方、肥料選びで迷われている方は
「まめ肥料」など豆類専用の肥料がおすすめです。
☆スナップエンドウにおすすめの肥料☆
まめ肥料
チッソ:3.5% リン酸:6% カリ:5%
マグネシウム:3%
チッソ成分を控えめに
リン酸・カリ分を多めに配合しているので
「つるぼけ」を軽減し
たくさんの収穫が期待できます。
丈夫で健康な株を育てるカルシウム
ミネラル類(ホウ素・マンガン・鉄など)
を配合。
リン酸の吸収を助け
実付きを促進する
マグネシウムを強化してあります。
アミノ酸と有機原料が
甘くて香りの良い美味しいマメを育てます。
3.種まきと土づくりの時期

秋まきの適期は
10月中旬~11月上旬です。(関東地方基準)
スナップエンドウは
株が大きくなると耐寒性が弱まるので
早まきは避けるようにしましょう。
土づくりは、種まきの2週間ほど前に行います。
肥料、石灰、たい肥などを土に混ぜ
ウネを立てておきます。
【土づくりのポイント】
〇水はけの良い土で育てましょう
マメは発芽するときに酸素を必要とします。
水はけが悪い土では酸素が足りず
芽が出ないことがあります。
たい肥を混ぜたり高ウネにして
水はけの良い環境を整えてあげましょう。
さらに発芽させやすくするために
種をまく場所にだけ培養土を使う方法もあります。
〇連作を避けましょう
同じ科の野菜を同じ場所で育てることを
「連作」といいます。
(例えば、エダマメを育てた場所で
スナップエンドウを育てるなど)
「連作」するとだんだんと生育が悪くなり
収穫量が減るため
4年ほどは連作をしないように気を付けましょう。
☆土づくりと種まきについて詳しくは
こちらのコラムもご参照ください。
⇩「エンドウ」「ソラマメ」の種を畑へまこう!⇩
【10~11月】
4.種をまこう!

土づくりから2週間ほど経ったら
いよいよ種まきです。
種をまくための穴の間隔や深さは
畑栽培とプランター栽培で異なります。
〇畑の場合
穴の間隔:30~40cm
穴の深さ:2~3cm
〇プランターの場合
穴の間隔:15~20cm
穴の深さ:1~1.5cm
種をまく場所の土が乾いているようならば
水をまいて土を湿らせましょう。
種は1か所に3~4粒ずつまいて埋め
最後にたっぷりと水を与えましょう。
うまく発芽しなかった場合や
プランターで少しだけ育てたい場合は
苗から育てることもできますよ。
5.美味しい実を収穫するための管理

たくさん実を付けるために
成長に合わせて
下記のような作業をしましょう。
【風対策】
特に苗から育てる場合
風で株が傷みやすくなっています。
発芽後から、本葉が出て
巻きひげが支柱などに絡みつくまでの間
仮支柱と風よけを立てると安心です。
風よけは、畑では不織布のトンネルを設置したり
株数が少ないときやプランター栽培では
株の周りを囲うように四方に支柱を立て
ビニールなどを巻いて壁を作る方法などがあります。
【間引き】
芽が5~6cmほど伸びた頃
生育の悪い株を間引いて
1か所あたり2~3本にします。
【マルチング】
寒さや病気から株を守るために
株元にワラなどを敷きましょう。
【うどん粉病対策】
込み合っている「つる」を整理し
風通しや日当たりを良くして
うどん粉病の発生を防ぎましょう。
【支柱立て】
花が付き始めたら支柱を立て
ヒモやネットを張り
茎や葉を絡ませましょう。
6.追肥をして収穫を増やそう!

スナップエンドウは
肥料が切れると、つるが伸びずに
花が咲かなくなってしまいます。
春になって、花が咲き始めたら
収穫に向けて追肥を与えましょう。
【追肥を与える時期】
1回目:花が咲き始めた頃
2回目:収穫を始める頃
3回目:2回目の2~3週間後
【追肥の与え方】
〇畑の場合
株元を避けて植物の周りに与え
軽く土をかけます。
〇プランターの場合
鉢のスミに与え、軽く土をかけます。
7.”とれたての美味しさ”を、味わおう!

4月中旬頃からスナップエンドウを
収穫できるようになります。
実がふくらみ、サヤが鮮やかな緑色になってきたら
サヤの付け根をハサミで切って収穫しましょう。
収穫したてのスナップエンドウの味は格別!
ぜひご家庭で育てて
新鮮なスナップエンドウを味わってみてくださいね♪