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デンドロビュームの高芽が出ちゃった!どうしたら?

デンドロビュームの高芽が出ちゃった!どうしたら?

 

「デンドロビウムを育てていたら

茎の上の方から白い根っこが出てきてしまったんですが・・・」

とお客様からお問い合わせを頂きました。

(デンドロビューム・ノビル系)

 

それは、「高芽(たかめ)」ですね。

 

高芽の説明は後ほど詳しくさせて頂きますので

まずはデンドロビウムの種類についてお話しますね。

 

 

 

1.デンドロビウムの種類について 

 

デンドロビウムには大きく分けると、花の咲き方から

ノビル系フォーミディブル系があり

種類によって管理方法が変わってきます。

 

ノビル系は、バルブの節の部分(葉の付け根)に花をつけます。

 

ランの仲間の中では、耐寒性が高いため温室がなくても

室内で越冬できる仲間が多いグループです。

 

フォーミディブル系は、バルブのてっぺんに花を付けるタイプです。

このタイプにはフォーミディブルのほか

デン・ファレ(デンドロビューム・ファレノプシス)が有名です。

 

こちらのタイプは、冬越しには温室が必要です。

また、日本のデンドロビウムの仲間には

セッコク(石斛)が各地に自生しています。

 

 

今回お問い合わせを頂いたお客様は

ノビル系のデンドロビウムをお育てでしたので

ノビル系の場合でお話をさせて頂きますね。

 

 

 

2.高芽について

 

さて、お問い合わせ内容にあった

『茎の上から根っこが出ている部分の芽』の事を

高芽(たかめ)』と言います。

 

本来でしたら花芽になるはずだった芽が、

葉芽(はめ)になり発根して子株になってしまった状態なんです。

 

見た目は茎の途中に小さなデンドロビウムの子供が

くっついている感じです。

 

 

ではなぜ、高芽ができてしまったのでしょうか。

 

3.どうして高芽ができるの? 【高芽の原因1】

 

高芽ができてしまう原因はいくつかあります。

 

【高芽の原因1】

 根が傷み、本来の根元から新芽を出すことが

 できなくなってしまった場合

 

デンドロビウムを植えている鉢の中が根でいっぱいになると

新しい根が鉢の外に出てきます。

 

デンドロビウムは元々、樹木の幹や枝に根を付けて育つ

着生(ちゃくせい)蘭なので、根が鉢の外に出ても

支障なく成育する事ができます。

 

しかし、ここで過湿(いつも根が湿っている状態)にしてしまうと

根は傷み、本来の根元部分から新芽を出すことが

できなくなることがあります。

 

そうすると、この場所から脱出するために高芽をつくる事があります。

 

対策としては、季節ごとの水やり間隔のポイントを押さえて

過湿にならないようにします。

 

またスカスカの根や、黒い根など、傷んでいる根があるようでしたら

新しい植え込み材や洋ラン専用培養土で植え替えましょう。

 

<植え替えにおすすめの資材>

・水苔を使用する場合は小さめの素焼き鉢と組み合わせます。

 

 大きな鉢に植えると、保水量が増え

 根が乾きづらい⇒根が乾かない⇒花付きが悪くなるため

 高芽を作る要因にもなります。

 

・水の与えすぎで冬に根傷みするような方には、

 軽石+バーク+根腐れ防止材が配合された専用培養土

 『小鉢洋らん培養土』がおすすめです。

 

<植え替えの間隔>

 鉢の大きさにもよりますが、小さな鉢では2年に1度は

 植え替えを行ないましょう。

 

 

 

4.肥料の与え方を見直してみよう【高芽の原因2】

 

【高芽の原因2】

肥料分がいつまでも培養土の中に残っている場合

 

肥料の与えすぎも高芽ができる原因となってしまうので

固形の肥料は梅雨が明けたら取り除くようにしましょう。

 

液体の肥料も同様に、与えるのは7月末までにしておきましょう。

 

 

 

5.水やりの仕方を見直してみよう【高芽の原因3】

 

【高芽の原因3】9月~10月以降の水やりが多かった場合

 

夏を過ぎ秋になったら水やりは控えめにしていきましょう。

 

『蘭の水やりは乾かし気味に』と言われています。

 

多くの蘭の仲間は、秋以降に乾かし気味の水やり間隔をすると

『いよいよ乾季がやってくる』と感じ、花芽を作る準備に入ります。

 

デンドロビウムでは、11月頃の低温に遭遇すると

花芽の分化形成が始まるようです。

(このため温暖な沖縄の気候では、花芽が付きにくい理由となります。)

 

そのため乾季があるところで育っていた洋蘭は

周年同じ感覚でお水を与えると、高芽を付けやすくなります。

 

秋の水やりで根を乾かさなかった場合や

長雨に当てていた時は梅雨の頃と似たような気候状態になって

しまうので、デンドロビウムは葉を伸ばし株を大きくしようと

思ってしまいます。

 

『根の周りには、水も栄養もあるから、花を作るのをやめて葉を作ることにしよう』

 

すると来春、デンドロビウムのバルブのところどころに

蕾のかわりに高芽が伸びてくることとなります。

 

秋の水やりの加減は、

“表面の根が白く、指で触るとすべすべした状態になったら与える”です。

 

デンドロビウムの本当の根はスポンジ状の根皮(コンピ)に

覆われた中にあります。

 

根皮が白くなるのは乾いてきた証拠

 

水やりをしていいよ、のサインです。

 

水やりをする時は晴れた日に与え

与えた後は雨に当てないように、軒下に取り込んでおくのが

ポイントです。

 

 

高芽ができてしまう原因は

上記のようにいくつかの要因が考えられます。

 

一度、一年の管理を思い出してみましょう。

 

 

 

6.高芽はどうしたらいいの?

 

それでは、出きてしまった高芽はどうしたら良いのでしょうか?

 

高芽は、そのままにしておくと茎から栄養を吸ってしまい

株が弱る原因となるので注意しましょう。

 

・株を大事にする場合、バルブを傷つけないように、

 早めに高芽をとり外しましょう。

 

 取り外した高芽を育てて株を増やす事もできます。

 

 その場合、まだ高芽が小さく、葉の数が少ないときには

10月までそのまま育ててから高芽取りを行います。

 

・デンドロビウム自体が根傷みを起こし

 このままでは株が絶えてしまうと言う場合には

 高芽を育てて予備苗作りをしておきましょう。

 

 根や葉を傷つけないように高芽を親バルブと一緒に

 はさみで切り離し、小さな素焼きの鉢に水苔で植付けましょう。

 

時間はかかりますが、再来年にはまた花を咲かせるような株に

育てることができます。

 

トライしてみて下さいね♪

 

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