化成肥料って安全なの?

1.化成肥料に含まれる窒素・リン酸・カリは安全?

肥料には窒素・リン酸・カリの成分が含まれており
化学物質が原料の化成肥料も有機質肥料もどちらも
この3つの物質の比率が表示されています。
肥料は、皮膚に着くことや口に入ることも想定されており
どの成分も、農林水産省が定めた規制により
毒性のあるものは使用できない決まりになっています。
化成肥料の場合、窒素として
尿素や硫酸アンモニウムが使用されています。
リン酸として配合されているのは
重過リン酸ナトリウムや過リン酸ナトリウムです。
カリは、塩化カリウムや硫化カリウムを使用しており
どれも安全性の高い安定した物質となっています。
ちなみに、カリウムは輸入により日本に入ってくる貴重な資源で
海外で採掘された鉱石から生産されています。
余談ですが、田んぼでは塩化カリウムを使用するのが一般的です。
なぜなら、硫酸カリを使用すると
カリの成分がなくなった後、硫酸イオンが硫黄に変化し
やがて亜硫酸となりガス化してしまうためです。
2.化成肥料は石膏で固めています

上記で説明した窒素・リン酸・カリのもととなる物質は
そのまま1:1:1でミックスすると
栄養成分が濃すぎてしまい
大変使いにくいものとなってしまいます。
また、粉末状のままでは
湿気てしまいやすい点もデメリットです。
そこで、骨折したときなどギプスとして使用する
「石膏」を混ぜて、粒状に固めています。
石膏は硫酸カルシウムという物質で
pHが中性のため肥料に合わせやすく
粒状に固めることで撒きやすくなるメリットがあります。
また、石膏の硫酸カルシウムは
水を含むと酸によりカルシウムが溶けだすため
土中のカルシウム補給にもなり
植物が栄養素として吸収できます。
石膏により肥料成分が薄められ
ほどよく栄養分が土中に染み出すため
根を傷めることも防げることができるので
一石二鳥の効果ですね。
3.化成肥料も人体に安全です
