マグネシウムの重要性と注意点

こんにちは、東商の研究開発センターの村田です。
私たち研究開発センターが、直接お客様のご相談をお受けしたものを
ピックアップしてお届けする園芸相談レター。
今回は「マグネシウムの重要性と注意点」についてお話します。
先日お客様から
「マグネシウムが入った肥料はありますか?」
というお問い合わせをいただきました。
なぜ、マグネシウムがはいった肥料をお探しなのか、お訪ねしたところ、
「葉の葉脈が見えるようになってしまったので」
とのこと。
お応えの内容から、園芸上級者の方とお見受けいたしました。
マグネシウムは植物の光合成に必要な葉の「葉緑素」を作る重要な構成成分の一つ。
マグネシウム等の微量要素は土の中にも含まれていますが、
欠乏症として表れてくる場合は2つの要因が考えられます。
①土の中のマグネシウムが不足してしまっている状態になっている。
この場合は、不足しているマグネシウム入りの肥料を与えることで補えます。
②土の中にカルシウム、カリウム過多の状態が発生。
そのため、植物がマグネシウムを吸収できず、
マグネシウム欠乏症のような症状がでている。
実はマグネシウム欠乏症の一番多い原因が②になります。
この場合、「直近で何か肥料などを頻繁に与えていないか」確認してください。
石灰系を多く与えているのであればカルシウムが、
化成肥料を多く与えているのであればカリウムが過多になっている可能性があります。
また、鉢物であれば液肥を必要以上に与えていると起こりやすくなります。
固形の肥料を与えたうえで、液体肥料を追加しているとき などもこのケースに当たります。
この場合、余分な肥料を取り除き、土を弱酸性に整えましょう。
過多になったカルシウムやカリウムを取り除くために、
肥料をまいた土を取り替える、粒タイプの場合は撤収するなどの作業が必要となります。
ただ、一度与えた肥料を取り除くのは、手間もかかりますし、
根を痛めないように取り除かなくてはいけないので細心の注意をしなければなりません。
このようなトラブルを防ぐためには、一作ごとに「天然100%野菜の石灰」や
「3坪石灰」を使うと安心です。
日本は雨が多く、土壌の中にある酸を中和するために必要な石灰などの成分・養分や、
マグネシウムが流れやすいため、酸性に傾きがちです。
でも、ほとんどの植物は弱酸性を好むので、土壌を弱酸性に改良する必要があります。
アルカリ分の高い消石灰や苦土石灰は、いったん土をアルカリ性に傾けることで
酸を中和させます。(中和反応)
中和が終わるまでは、苗の植え付けができません。
アルカリ化させたままの土では、植え付けた苗の根が溶けてしまうからなのです。
植え付けのタイミングを誤ると根を痛めてしまう可能性があります。
使い方の難しい消石灰と異なり、天然石灰の東商の貝殻や卵殻を原料とした
「天然100%野菜の石灰」や「3坪石灰」は、土の中にできた酸をゆっくりと中和させます。
そのため、蒔いた後すぐ植え付けが可能です。
いずれも効き目もおだやかな上、マグネシウムも入っているので
欠乏症等の障害も起こりにくいのも大きなポイント。
また、消石灰は直接手で触ると、刺激が強く手荒れの原因となりますが、
天然石灰の場合は、貝殻や卵殻が原料なので手が荒れることはありません。
さらに、ウッカリ多めに与えてしまったとしても穏やかな作用なので
根を痛めるなどの心配も不要。
園芸初心者の方から上級者の方まで、安心してお使いいただけます。
いろいろな成分がバランスよく土の中に存在すること。
これが元気な植物を育てる基本です。何事もバランスが大切ですね。
製造や研究に携わる私たちが皆様の疑問に直接お応えすることで、
少しでも不安が取り除けていたら本望です。
また、お客様からいただいた貴重なご意見やご質問は、
より良い商品をお届けできるよう、今後の製品開発や改良に活かしてまいります。
これからも、東商の商品の使用方法や、製品についてご不明な点やご質問などございましたら、
お電話やFAX、お手紙などでご相談ください。
東商の商品が、皆様のお花や野菜を育てる喜びの支えになれば幸いです。