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2021.11.04 ブルーベリー

ブルーベリーの植え付けと肥料のコツ

ブルーベリーの植え付けと肥料のコツ

 

先日、ブルーベリーの苗木を鉢植えで

育て始めたばかりの方から

肥料についてのご相談がありました。

 

そこで、今回はブルーベリーを鉢に植えるポイントや

鉢植えのブルーベリーに肥料をあげるコツについて

お伝えしていきたいと思います。

1.植え付ける前に培養土の水はけを確認しよう

 

まず、ブルーベリーの苗を鉢に植えるときには

使用する培養土の水はけを確認しておくのがポイント。

 

ブルーベリーは水はけと水持ちの良い土を好むため

底に鉢底石を必ず敷いて、水はけを確保しておくと安全です。

 

 

培養土にはあらかじめ

ある程度の栄養分が含まれていますが

1カ月ほどで培養土の中の栄養分は

ほとんど切れてしまいます。

 

そこで、培養土の栄養分が

完全になくなってしまう少し前

植えてから2週間後を目安に

1回目の肥料として

「果樹・ブルーベリーの肥料」を

鉢の大きさに合わせて与えます。

 

 

今回のご相談を受けたときには

ブルーベリーの花が終わり

すでに小さな実を付け始めている時期だったので

1回目の肥料から2週間ほどしたら

1回目のときと同じぐらいの量を

施していただくことも合わせてお願いしました。

 

2.ブルーベリーに肥料を与えるのは年3回

 

ブルーベリーを鉢植えで育てる場合は

年3回、固形肥料の「果樹・ブルーベリーの肥料」を

施すのがおすすめです。

最初の肥料を与えるのは、まず、

春先に芽が動き出したタイミング。

 

元肥となる肥料を与え、

ブルーベリーをしっかり目覚めさせます。

 

その後、4月~5月になると花が咲き始め

2週間ほど花が続きますが

つぼみが多く花が咲いている間は

肥料を与える必要はありません。

 

 

2回目の肥料は

花が終わって実が太り始めたタイミングで与えます。

栄養を与えることで、実が太るだけでなく

葉っぱが茂ったり枝が太くなったり

株を大きく成長させることができます。

 

また、この時期に来年の実になる

花芽分化もあるので

肥料を与えれば翌年の収穫量も

期待できますよ♪

 

ブルーベリーの収穫が終わったら

9月の終わりまでに3回目の肥料を与えましょう。

 

9月の肥料は、即効性が高く栄養分の切れも早い

液体肥料を1000倍に薄めたものを週1回

水やりのタイミングで併用するのもおすすめです。

 

そして、10月以降は肥料をあげず

冬に備えて栄養を無くしておきます。

3.落葉する10月以降は肥料を切るのがポイント

 

なぜ10月以降は肥料をきるのでしょう?

それは、冬の間に肥料をあげると

耐寒性が悪くなってしまう恐れがあるためです。

 

落葉樹であるブルーベリーは

冬の間は葉を落とし休眠します。

 

しかし、栄養を植物内にため込んだまま

冬を迎えてしまうと

植物はしっかり休眠できません。

 

冬の間でも少し暖かい日があると勘違いして

芽吹いてしまい、芽が寒さに当たって

枯れてしまいます。

 

 

ちなみに、地植えでブルーベリーを育てる場合は

元肥として苗を植え付けるときに

根から離れた場所に有機質肥料を与えておきます。

 

土に栄養分がじっくり溶けだして

暖かくなると同時に

根がおだやかに栄養を吸収できます。

 

しかし、鉢植えの場合

根と肥料が近くなってしまい

肥料が効きすぎる恐れがあるため

植え付け時の元肥は必要ありません。

 

4.ブルーベリーを育てるのに適した土とは?

 

ツツジの仲間であるブルーベリーは

pH3ぐらいの酸性の土を好みます。

 

多くの植物は根から酸を出し

ミネラル分を溶かしながら吸収していますが

ツツジやその仲間のブルーベリーは

根から酸が出ないため

酸性の土壌でないと根からミネラルを吸収できない

というのがその理由です。

 

 

なお、アルカリ性の土ではミネラル分が溶けないため

ツツジやブルーベリーは栄養を吸収することができません。

 

 

そのため、ブルーベリーは

酸性の土で育ててあげるのがベストです。

 

ブルーベリー栽培で土を酸性にするためには

ピートモスを使用するのがもっとも手軽で理想的!

 

ピートモスは、ブルーベリーを植えた土の

表面に1cmぐらいの厚みで敷き詰めて使います。

 

ピートモスはミズゴケなどの

植物が堆積してできた泥炭(ピート)から

できているため有機質で水持ちが良く

土の表面に敷き詰めると

根を乾燥から守るマルチング効果も期待できます。

 

 

さらに効果的な方法として

上からパラパラと撒くだけでなく

レーキ(熊手のような道具)で

ピートモスと下の土を軽く混ぜてあげるのもおすすめ。

 

ピートモスだけでは軽すぎて飛ばされやすいうえ

水をあげると浮いてきて流れてしまうのもデメリットです。

 

また、ピートモス単体では

完全に乾燥してしまうと水をはじいてしまい

吸水性が悪くなってしまいます。

 

ピートモスと土が混ざりあうことで

土の吸水力と保水力が上がり

ピートモスだけで使用するよりも

扱いやすくなります。

 

 

ピートモスのほかに

鹿沼土と腐葉土合わせて利用するのも

ひとつの方法です。

 

鹿沼土も酸性なので

ツツジの植え込みにも利用されています。

 

ただ、鉢植えで育てる場合

鹿沼土だけでは水持ちが悪いため

保水力をアップすることが必要となり

鹿沼土に腐葉土を混ぜてあげるのがおすすめです。

 

 

なお、ピートモスは

時間がたつとしぼんで小さくなってしまいます。

 

しぼんだピートモスは

どんどん土の中に入っていくので

ピートモスを定期的に

土の上に撒いてあげるようにしてくださいね。

 

5.ブルーベリーなどの植え替えで気を付けたいこと

 

さて、買ってきたブルーベリーの苗木を

鉢に植えるときや

ブルーベリーを植え替えるときに

気を付けたいことについてお話ししましょう。

 

ブルーベリーなどのツツジの仲間は

植え替えの際に根を切ってしまったり

乾かしてしまったりしないよう注意が必要です。

 

植えるときに根を切ってしまったり

準備をしている最中に

根っこが乾いてしまったりすると

「植え傷み」の原因となります。

 

 

乾燥などのダメージを受けると

細かな根が枯れてしまい

栄養や水をうまく吸収できなくなるので

結果的に葉っぱもしおれてしまいます。

 

植え付ける際は根を乾かさないように

鉢底石や土の用意が済んでから

ブルーベリーの苗木を取り出して

素早く行うことがポイントです。

 

また、苗木の場合

植え付ける際に多くの根を

誤って傷つけてしまったときなどは

あえて先端にある枝を切ってしまう対策があります。

 

根っこを切ってしまったときや

傷つけてしまった場合

苗木は水や栄養を先端まで届けられなくなってしまうため

先端は枯れてしまいます。

 

そこで、あらかじめ

先端を切ってしまい枯れるのを防ぐのです。

 

「植え傷み」が起こってしまった場合も

根を切ってしまった場合も

その後、根が元気になれば

新芽が出て葉っぱが伸び始めます。

 

植え替えた時には、元気だった葉っぱが

傷んだり枯れたりしてしまうのは

「植え傷み」かもしれません。

 

そこで、植え替えてから2週間ほどは

肥料はあげずに様子を見て

植え傷みがなくなってから

肥料をあげるのが安全です。

 

根っこが傷むと

植物は水も栄養も吸えなくなるため

植物全体に影響がでます。

 

特に、植え替えでは

デリケートな根が地上に出ることとなりますので

根を傷つけたり乾燥させてしまわないように

十分気を付けてくださいね。

 

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