創業50年。醗酵油かすを始めとする有機質肥料の製造販売

東商
トップページ > コラム > いもの施肥と育て方について~じゃがいも・さつまいも

いもの施肥と育て方について~じゃがいも・さつまいも

いもの施肥と育て方について~じゃがいも・さつまいも

 

今回は、じゃがいもの施肥と育てる際に気を付けておきたい点についてお話ししますね。

 

以前、じゃがいもを畑で育てている方から「じゃがいもの葉が多く茂り、茎も太く伸びて、大きくなるのに、イモが大きくならない」というご相談をいただきました。

 

じゃがいもは2月に植えて5~6月に収穫する比較的短期に育つ野菜です。早めに葉を茂らせることで、葉が光合成で栄養を作り、イモに栄養を運んでくれます。適度に葉を茂らすためには、植え付けの1~2週間前に元肥として肥料をよく混ぜてしっかり土作りをしましょう。

追肥は2回に分けて行います。

 

1回目:植え付け後、伸びてきた新芽がそろい、芽かきをした後に。

2回目:しっかりと葉が茂り花が咲く頃に。

 

2回目の追肥をしたら、根元に土を寄せ、太ってくるイモに日が当たらないようにてください。

じゃがいもはイモに日が当たると緑色になり「ソラニン」というお腹を壊す毒を作ってしまいますので、気を付けましょう。

 

じゃがいもに与える肥料は、専用の「じゃがいもの肥料」(じゃがいも・いも類の肥料)

が使いやすく、便利です。窒素とカリが、じゃがいもの生育にちょうどよい量に調整してあり、さらにイモを大きくするリン酸がしっかり入っているので、肥料の調整などの手間もかかりません。

 

じゃがいも専用肥料

じゃがいも・いも類の肥料

 

もちろん、配合肥料などでも育てることはできます。しかし、肥料に含まれる窒素が多すぎると、葉が育ちすぎてイモが小さくなり、カリが多すぎるとイモは大きくなりますが、味が落ちるといわれていますので注意が必要です。

 

ほかの野菜をお育てで、お手元に「有機100%の野菜肥料」をお持ちの方は、元肥の際にリン・カリ肥料の「らんまん」をプラスして土に混ぜてください。追肥の際には「らんまん」だけを与えれば肥料のバランスが取れて、大きな芋を育てることができますよ。

 

 

有機でおいしく!

有機100%野菜の肥料

 

 

リン・カリ分の強化に!

リンカリ肥料「らんまん」

 

いずれの場合でも、肥料の量は、パッケージに記載されている量を守ってください。多すぎると、葉や茎だけが育ち、イモに栄養がまわらなくなります。毎年、葉だけが茂ってイモが小さい場合は、追肥の量を少し減らしてみてくださいね。

 

 

1.じゃがいもとさつまいもの違いって?

 

ご自身の畑で、じゃがいもとさつまいもを育てているお客様より「じゃがいもはちゃんと育つのに、さつまいもが全くできないので困っている」とのご相談を頂きました。

 

使われている肥料は「配合肥料」とのこと。「配合肥料」は、有機質肥料と化学肥料の効果で栄養が素早く効きおだやかに長く持続するので、じゃがいもやサツマイモはもちろん、色々な花や野菜にも使える肥料です。

 

では、どうして同じ肥料を使っているのに生育に違いが出たのでしょう。

 

実は、じゃがいもとさつまいもは、同じイモという名前がついていても全く違う系統のものなのです。

 

じゃがいもは、ナス科の植物で、イモの部分は地下茎(茎の部分)が肥大化したものです。2月に植え付けて5月末頃には収穫できる野菜です。

 

さつまいもはヒルガオ科の植物、イモは根が肥大化したものです。6月の初めに植え付け、10月頃に収穫できる、じゃがいもに比べて時間のかかる野菜です。

 

どちらも、必要としている肥料の成分はほとんど同じなのですが、肥料の必要量もタイミングも全く異なるので、同じ育て方で良いと勘違いしてしまうと生育に差が出てしまいます。

 

特に、さつまいもはやせた土地でも育ちやすい性質があり、じゃがいもほど肥料を必要としません。やせた土地や肥料が少なくても、いもが収穫できる優等生です。じゃがいもと同じ量の肥料を与えてしまうと、肥料が多すぎてツルばかり育ち「つるボケ」という状態になり、イモが小さくなったり、数が少なくなる原因となります。

 

 

さつまいもの追肥を行う時は、葉の成分になる窒素分の少ない肥料を選びましょう。「らんまん」のようなリン・カリ肥料は、窒素分を抑えてイモを大きくしてくれる効果があり追肥におすすめです。

 

追肥の時にツルが伸びすぎている場合は、肥料の量を控えてください。また、畝の間に伸びたツルは「つる返し」といってツルを引き上げて、つるの途中から出ている根を土からはがし、反転させましょう。はがしたツルは畝の上に重ねておけば、真夏の強い日差しをよける日よけの代わりになりますよ。

2.さつまいもの皮のぼこぼこは何故できる?~線虫~

 

「せっかく育てたさつまいもの皮がぼこぼこになってしまう」とのご相談を頂きました。

 

堆肥や腐葉土を入れた畑で育てたさつまいもは綺麗な状態で収穫できたのに、柚子の木の近くで、アリの巣がある畑で育てたものは、皮がぼこぼこしてしまったそうです。柚子やアリが原因なのかとお悩みでした。

 

さつまいもの皮がぼこぼこになるのは、柚子の木やアリが原因ではなく、土の中にいる線虫が寄生したせいです。線虫は元々土の中に存在していている虫の一つです。土の中の生態系が正常な時は、それほど悪さをしませんが、何らかの理由で一度大量に発生してしまうと、さつまいもに寄生し、皮をぼこぼこにしてしまったり、割れを作ってしまいます。さらに、一度発生すると駆除が難しく、厄介なのも線虫の特徴です。

 

線虫は、育ちやすい土壌環境を見つけると、土の中に多くの卵を産んで一気に増殖します。農薬も効きづらいため、気がついた時には手遅れの状態に…。

 

生産農家さんは、イモの形が崩れる上、大きく育たなくなり商品価値が下がることから、地域で協力して土を消毒する等の対策をとっているのですが、家庭菜園ではなかなかできません。

 

線虫を駆除する農薬もありますが、隣の土地やほかの場所から流れてきて、再度発生することも多く、あくまでも一時的な駆除にしかなりません。

 

一度発生するとなかなか駆除できない線虫の被害を防ぐには、線虫が好む土壌にしない事が一番。大量発生してしまう前にしっかりとした予防策をとるのが何より効果的です。

 

では、どのような予防策をとればいいのでしょうか?

 

 

3.線虫の発生を予防するには?

 

予防策として、農薬を使わない家庭菜園でもできる対策をいくつかご紹介しますね。

 

Ⅰ連作から輪作に切り替える

 

同じ畑で同じ野菜を作り続けると、

 

①同じ栄養素だけを土から吸い上げる 

②似たような病気が増えやすい 

③その野菜を好物とする害虫が増えてくる

 

などが原因で、土壌環境のバランスが崩れてしまいます。

線虫害は連作障害の一つで、サツマイモに寄生する線虫密度が高くなると、被害が顕著になります。土壌環境のバランスが崩れた土が大好物です。バランスを保つためにも、マメ科やイネ科、キク科など、ヒルガオ科であるさつまいもと全く異なるものを一作挟むようにしましょう。土壌環境のバランスが崩れにくくなります。

 

Ⅱ対抗植物を植える

 

対抗植物とは、土壌中の有害な線虫を減らす効果を持つ植物のことです。

線虫の対抗植物は落花生やマリーゴールド。いずれも、線虫を減少させる効果が期待できます。輪作をする際に、畑に落花生やマリーゴールドを植えることで、土中の線虫を減少させて被害を抑えることができます。マリーゴールドは花が終わったら、緑肥として細かく刻んですきこんでもいいですね。

 

Ⅲ土壌改良をする

 

土壌環境が豊かになると、線虫の天敵であるダニ、クマムシ、トビムシ、アメーバなどが増えていきます。土の中に様々な虫や微生物が増えることで、有害線虫の占有率が下がり、大量発生を抑制することができます。有機肥料や堆肥・腐葉土は、有益な虫や微生物の格好の餌やすみかとなり、土壌環境を改善して線虫の増殖を抑制し、被害を軽減することができます。

 

これから土壌改良をする場合は、元肥に「有機100%の野菜肥料」と「らんまん」を蒔くのがおすすめです。すでに堆肥をお使いの場合、土に対する栄養剤として1平方メートルあたり100gの「有機100%の野菜肥料」を与えることもできます。

 

有機でおいしく!

 

有機100%野菜の肥料

 

リン・カリ分の強化に!

リンカリ肥料「らんまん」

 

 

しっかりと線虫対策をすれば、土壌環境が整って、肌のきれいな立派なさつまいもが収穫できるようになります。

 

ページの先頭へ