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果樹の肥料を松の木に与えても大丈夫?

果樹の肥料を松の木に与えても大丈夫?

こんにちは、東商の研究開発センターの村田です。

 

 私たち研究開発センターが、直接お客様のご相談をお受けしたものを

 

ピックアップしてお届けする園芸相談レター。 

 

今回は「『〇〇用の肥料』のような、いわゆる専用肥料を他の植物にも使っていいのか」

 

ということについてお話します。

 

 


 店頭で果樹用の肥料を購入されたお客様から、

 

「残りの肥料を庭の松の木にあげても大丈夫でしょうか」

 

というお問い合わせをいただきました。

 

 

 私たちも含め、肥料メーカーから「〇〇用」という

 

名前の付いた様々な肥料が販売されていますが、

 

ほかの植物や苗木に使えるのか?とお悩みの方、いらっしゃるのではないでしょうか。

 

 

 実は、ほとんどの肥料は表示されている植物や樹木にしか使えないという肥料は少ないのです。

 

もちろん、いずれの肥料も記載されている食物や樹木をよりよく育てるための最適な配合と

 

なっています。

 

しかし、肥料の三大要素と言われている窒素・リン酸・カリウムの成分が

 

バランスよく配合されているものは、基本的にはどの植物でも使っていただくことは可能です。

 

 

 ただ、お気を付けいただきたい点があります。「〇〇用」となっている肥料は、

 

種類によって意図的に窒素やリン酸、カリウムの配合バランスを

 

大きく崩しているものがあります。

 

東商の肥料では有機の「花咲く肥料」「リン・カリ肥料らんまん」

 

「いも・まめ肥料」などが該当します。

 

これは、植物の特性の関係で、あえて成分を偏らせる肥料です。

 

他の食物や、樹木には向いていません。

 

もし、上記の肥料をほかの植物や樹木に与える場合は、

 

不足しているものをほかの肥料などで補わなければなりません

 

 

 専用の肥料であっても、異なるものであっても、重要なのは肥料のあげ方です。

 

庭木などの根はだんだんと地表近くに広がってきますが、

 

夏の暑さや乾燥などに強い庭木にするには、根は地表でなく地中に延ばすことが大切

 

そのためには、葉が落ちる頃(冬)に与える寒肥を「深層施肥」という方法で行いましょう。

 

花が咲く樹木の場合は、花が咲き終わった後のお礼肥で行います)

 

 

 「深層施肥」は、一番外側の枝の下に深さ30センチほどの穴を

 

円を描くように4か所に掘り、そこへ醗酵油かすの粉末を入れて埋め戻す方法。

 

1mほどの小さな木なら1つの穴におよそ一握り(約25g)、

 

それ以上の大きな木なら一つの穴におおそ2にぎり(約50g)が目安です。

 

 

 「深層施肥」を行うと、土中深く埋めることで根が

 

その肥料を求めて土の中深く伸びていき、夏の暑さや乾燥から根を守ることができます。

 

「深層施肥」は寒肥やお礼肥のほか、6月の梅雨明け前

 

秋肥にも行っていただくと効果的です。

 

 ただ、植物や樹木の種類によっては肥料をあげるタイミングが異なりますが、

 

葉を伸ばそうと芽吹く季節は特に栄養を必要としていますので、

 

タイミングよく肥料で栄養を与えてあげましょう

 

パンジーなどは、花が咲いている時も葉が伸びているので

 

その時は肥料を与えて問題ありません。

 

 

 なお、つぼみが付いた時や25度を越えた夏の季節には、

 

肥料を与えないようにしてください

 

この時期の植物や樹木は、栄養を既に蓄えているので肥料を必要としていません。

 

過剰に肥料をあげてしまうと、葉落ちの原因になります

 

葉落ちは、過剰な栄養分が葉に集め、樹木から葉を落として

 

栄養バランスを正常に保とうとして起きてしまうもの。

 

過剰な栄養分は必要ありません。

 

夏は、雨が少ないときに水を与えて土が乾ききらないようにすることが重要です。

 

夏が過ぎ、彼岸頃になったら肥料を与えてください

 

 

 例年、暑さが厳しきくなってきています。

 

庭木も暑さに負けてしまわないように、今から上手に肥料を使ってくださいね。



 

 製造や研究に携わる私たちが皆様の疑問に直接お応えするすることで、

 

少しでも不安が取り除けていたら本望です。

 

また、お客様からいただいた貴重なご意見やご質問は、より良い商品をお届けできるよう、

 

今後の製品開発や改良に活かしてまいります。

 

 これからも、東商の商品の使用方法や、製品についてご不明な点やご質問などございましたら、

 

お電話やFAX、お手紙などでご相談ください。

 

東商の商品が、皆様のお花や野菜を育てる喜びの支えになれば幸いです。

 

 

 

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